サガキケイタ個展「転式」
サガキケイタ ≪helter skullter≫(部分)2014, H373×W764mm, 紙にペン
「転式」
2014年9月5日(金) – 10月26日(日)
出展作家:サガキケイタ
オープニングイベント : 2014年9月5日(金) 18:00-18:30 (噺家による公演となります/予約制/無料)
レセプションパーティー : 2014年9月5日(金) 18:30-20:00
この度CASHIでは9月5日(金)から10月26日(日)まで、サガキケイタ個展「転式」を開催いたします。
サガキケイタの作品は、一見すると誰もがどこかで見たことのある絵画や風景のように見えます。しかし近づいて見てみると、真っ白な画面に細いペンによって書き込まれたおびただしい量のモチーフによって、画面が構成されていることがわかります。細密に描き込まれたそのひとつひとつは、まるでマンガのようなコミカルな絵柄で、小さなキャラクターや笑いを誘うギャグの要素、時には胎児や子宮など性的でグロテスクな要素など様々であり、それらが混在し連なることで、画面は捉えきれないほどの情報量で埋め尽くされます。離れることで見えるものと、近づくことで見えてくるもののギャップは強いインパクトをもってわたしたちの意識に入り込み、既存の価値観を揺さぶります。そして同時に私たちが住むセカイが流動的で不安定なものであることを再認識させます。
今回の個展タイトル『転式』は、「見立て=転換様式」という言葉をもとに作家が作った造語であり、「見立て」とは日本の様々な伝統文化の中に根付いてきた表現方法です。あるものをなぞらえ別のものとして見て捉えるこの技法によって日本の芸術はその独自性と普遍性を高めていったと言えます。一方、既存の絵画を再構成させて作られるサガキの制作工程においても見立ては欠かすことのできないものになっています。浮世絵や水墨画などをモチーフにした作品が主体となる今回の展示では、日本美術の様式と作家自身の制作とを連動させ、聖と俗という2つの概念を転換させた構成になっています。
さらにこの個展タイトルは、落語の噺のひとつである転失気【てんしき】(=おなら)という言葉も掛かっています。「転失気」が医学用語を知ったかぶる人々の噺であることにたとえ、わたしたちの持つ先入観や、様々な視点からみることで変化するものの見方を問いかけてきます。
本展覧会は一部展示替えを挟み、前半と後半にて構成いたします。
2007年のシェル美術賞の入選より、2008年度同賞入選、2010年度の岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)入選、近年はテレビ出演など目覚ましい活躍を見せるサガキケイタのCASHI三度目となる個展。初日のレセプションには作家も在廊いたします。是非ご高覧、ご紹介賜りたく、ここにご案内申し上げます。
* 一部展示替え
前半:9月5日(金)~9月28日(日)
後半:10月2日(木)~10月26日(日)
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■ オープニングイベント 高座「転失気」
本展ではレセプションパーティー前に、二ツ目の噺家 春風亭正太郎氏(website:http://shoutarou.com/)をお招きし 「転失気」の高座を開催させていただきます。
春風亭正太郎氏は古典落語を中心に、日本全国で精力的にご活躍されています。
展示タイトルのモチーフにもなった落語の演目を、ぜひご覧ください。
・開催時間:9月5日(金) 18:00 – 18:30
・参加無料
・要予約
下記アドレスに、件名「転失気予約」本文に「お名前・ご予約人数」を明記のうえメールにてご予約ください。
>>info@cashi.jp
※席数は現在20席程度を予定しております。満席の場合、先着順とさせていただきます。