「ニエプスの箱・右 / 左」
杉浦慶太 2009 Pigment-print
「ニエプスの箱・右 / 左」杉浦慶太, 助田徹臣, 村上友重
「ニエプスの箱・右」:2009年11月6日(金)-14日(土)日・月曜日及び・祝日休廊
「ニエプスの箱・左」:2009年11月17日(火)-28日(土)
オープニングレセプション : 2009年11月6日(金)18:00-20:00
”ニエプスは写真を霊力捕獲装置であると夢想していた”
秋晴の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。この度、CASHI では3人の若手写真家による、展示替えを挟んだ二部構成の写真展「ニエプスの箱・右」「ニエプスの箱・左」を開催いたします。
写真の発明を導いた一人、ニセフォール・ニエプスは写真の原理を以下のようなことと夢想していたという説があります。
『ニエプスは、光はさまざまな物体に触れるとボールのように跳ね返る「流動体=霊力(フリュイッド)」のようなものであると夢想していた。彼は、写真によってこの「流動体=霊力」を捕獲し、それが跳ね返るのを避けながらその刻印を定着しようとしたのである。』(『明るい部屋の謎』セルジュ・ティスロン著、青山勝訳 62 ページより)
シャッターを切るという行為はまさしく捕獲行為です。写真家達は追憶、空気、光、様々なものをカメラの中に閉じ込め、定着させてきました。その捕獲できるものが霊力のようなものとするなら、なんとロマンチックで素敵なことでしょう。
ニエプスの、写真が霊力を捕獲する装置であるというその当時の考えを実証すべく、この度CASHI では観るものを揺さぶるような力を閉じ込めた写真達を、一度の展示替えを挟み同じ作家達で一部、二部と別の展示構成を行いまるでレコードのA 面B 面のように作家達の裏と表を見せる試みを行います。
初日のレセプションパーティーには作家も出席いたします。是非ご高覧、ご紹介賜りたく、ここにご案内申し上げます。