興梠優護「boiling point」
興梠優護 「/ 03」 H1621xW1303mm (F100) 2011 oil on canvas
興梠優護「boiling point」
2011年12月2日(金) – 12月24日(土)
出展作家:興梠優護
レセプションパーティー : 2011年12月2日(金) 18:00-20:00
この度、CASHIでは興梠優護個展「boiling point」を開催いたします。
興梠は、クリームがとろけるようなタッチで女性や動物といったモチーフを描くペインターです。その官能的且つ優美なテクスチュアは、モチーフの内面迄もをちらつかせ、見えそうで見えない妖うさや痛々しさを孕んだその表現は、多くのファンを魅了しました。
彼の代表的な作品シリーズである「l」(エル)シリーズは、インターネット上に浮かんでは消えるポルノ画像をモチーフに、ひとつひとつを彼の視線に合わせ描かれます。人間の生々しさが彼の眼を通すことで途端に浄化され、そのモチーフは儚くも艶っぽい、品格ある存在へと昇華されるのです。
一昨年CASHIにて開催された「meiting point」(融点)では、彼の記念すべき代表作「l」(エル)シリーズを主軸として展示し、「個体が液体へ姿を変える瞬間」なにかが溶け出す瞬間、に焦点を絞って表現を重ねていました。
しかし、今回は「boiling point」(沸点)と題し、溶け出したなにかが気体へと変化する瞬間、蒸発の瞬間というキーワードの元に、新作シリーズを展開致します。これは空気中にある不可視なもの、しかし確実に存在しているもの等、視覚の不完全性についての追求でもあります。
モチーフは植物や雲、そして女性を取り入れ、以前よりも強固な画面を完成させました。
12月2日(金)初日のレセプションパーティーには作家も来廊致します。より感覚的に、よりダイナミズムを増した興梠の新作を是非ご高覧頂きたく、ここにご案内申し上げます。